天然ガスは環境に優しく、経済的。今後は石油に並ぶ2大エネルギー源
天然ガスの黄金時代到来
1990年頃からアメリカをはじめとする国々でシェールガスが注目されるようになりました。しかし当時は、技術的に抽出することが困難だったため普及していませんでした。
それが2000年代に入って水圧砕法(スイアツサイホウ)や水平坑井掘削技術によって採取する技術が確立した結果、シェールガス革命(シェールガスブーム)となりました。
※シェールガスとは、泥が水中に堆積(タイセキ)してできた頁岩(ケツガン)層から採取される天然ガス。
天然ガスは「環境に優しく、経済的、可採年数」など、石油や石炭と比べて魅力的な点がたくさんあります。日本では、海外に比べてあまり利用されていないエネルギー源でしたが、東日本大震災後一変しました。
脱原発の流れを背景に、発電用燃料としての天然ガスの需要が急増。天然ガスの需要は日本だけでなく世界中で高まり、2035年頃は石油と並ぶ2大エネルギー源になると予想されています。
もしも、石油がなくなったら

参照元:http://doda.jp/engineer/mono/guide/002/004.html
エネルギーが変わる原油・石炭から天然ガス事情
CO2排出量
同じ熱量のエネルギーを得るために排出されるCO2の量を比較。石炭、石油に比べて、天然ガスはクリーンなエネルギー源であることが分かる。
- 石炭:100
- 石油:80
- 天然ガス:57
1バレル当たりの価格
各エネルギーの現行価格を石油バレルに換算して比較すると、天然ガスはコスト面で石炭にやや劣るものの、原油よりも圧倒的に有利。
- 原油:1バレル/約90ドル
- 天然ガス(生ガス):1バレル/約30ドル弱
- 石炭/約30ドル弱
可採年数
在来型の資源だけで比較しても、天然ガスの可採年数は石油よりも有利。シェールガスなどの「非在来型資源」を含めると、天然ガスの可採年数はさらに大きく伸びる。
- 非在来型:44年
- 非在来型:59年
- 石炭:143年
世界の発電燃料需要の見通し
2035年には、石油と並ぶ2大エネルギーに!!
震災前後の日本の電源構成
<2010年10月の電源構成>
- 原子力
- LNG火力
- 石炭
- 水力
- 石油
<2012年12月の電源構成>
- LNG火力
- 石炭
- 石油
- 水力
- 原子力
天然ガスを起点とした産業の広がり
<天然ガス由来の石油化学品>
化学繊維やレジ袋、洗剤容器など、石油化学製品の原料となるエチレンの大半は、従来、石油を原料として製造されてきた。しかし、シェールガス革命を機に、天然ガスからエチレンを合成し、化学品を作り出すプラントの計画が増えている。
<工場・家庭などコージェネ>
コージェネレーションシステムは天然ガスを燃料として電気と熱。動力などを同時に生み出すシステム。工場での発電・冷暖房用途が主だが、省エネルギー・省コスト意識の高まりを背景に、一般家庭への導入も進んでいる。
<肥料の原料>
窒素系肥料は化学肥料全体の6割を占めており、さらにその約6割が尿素系肥料。東洋エンジニアリング株式会社は尿素合成プロセスのライセンサーとして、海外で多数の肥料プラント建設を手掛けてきた。
<常温量通可能な液体燃料>
GTL(Gas to liquids)技術によって生み出された液体燃料はLNG(液化天然ガス)とは違い、常温・常圧での流通が可能。経由・灯油の代替品として利用できるクリーン燃料として、今後、利用の増大が見込まれている。
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