原子力発電が世界中で増え続ける理由。リスクを超える必要性

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原子力発電依存度の高い国

世界の国々の原子力による発電量は、総発電量のどれぐらいを占めているかご存知でしょうか。

日本では、2011年に起きた東日本大震災を境に、原発の安全性について国民が深く考えるきっかけになりました。それまでの日本は、「原発は何が起きても絶対に安全」という安全神話の元、原子力発電が推進されてきました。

しかし、その神話が崩れた今も、2基が稼動をしています。

一方、欧州の大国ドイツでは、福島の事故後わずか4ヶ月後に原子力発電所を2022年末までに全廃することを法制化しました。ドイツのメルケル首相は、もともと原子力擁護派だったにも関わらず、福島での事故の教訓を真剣に自国にあてはめ、政策を大幅に転換し世界中を驚かせました。

日本の原子力発電所数と所在地

  • 北海道 3基:泊発電所
  • 東北 14基:女川原子力発電所・東通原子力発電所・福島第一原子力発電所・福島第二原子力発電所
  • 関東甲信越 9基:柏崎刈羽原子力発電所
  • 東海 5基:浜岡原子力発電所
  • 北陸 15基:志賀原子力発電所・美浜発電所・高浜発電所・大飯発電所
  • 中国 2基:島根原子力発電所
  • 四国 3基:伊方発電所
  • 九州 6基:玄海原子力発電所・川内原子力発電所

世界の原子力発電情勢

原子力発電所は、世界的に見ると減っているどころか建設ラッシュといっていいほど各地で建設が進んでいます。

何故、世界各国では、日本やロシアのように想定外の事故が起きた際、甚大な被害が出るにも関わらず、今も増え続けてるのでしょうか。その理由は、原子力発電のメリットにあります。

  • 低コスト
  • 環境汚染が少ない
  • 燃料の供給が安定している
  • 技術力のアピールになる
  • 原発による経済効果

日本の食料自給率は約40%、エネルギー自給率はさらに低い約6%。エネルギー資源の少ない日本において原子力発電は、今後もしばらくの間は必要な技術なのかもしれません。

原子力発電はなくなるのか?

原子力発電が将来的に完全になくなる可能性はゼロではありませんが、結論を言うと、短期間での完全消滅は現実的ではないかもしれません。

特に既存の原子力発電所が稼働を続ける限り、ある程度の原子力発電は維持されると考えられます。しかし、再生可能エネルギーの普及と技術の進歩に伴い、原子力発電の比率が減少する可能性は高いと考えられます。

1. エネルギー政策と政治的要因

各国のエネルギー政策は、原子力発電の存続に大きな影響を与えます。福島第一原発事故以降、日本をはじめ多くの国で原子力発電への懐疑的な見方が強まり、再生可能エネルギーへのシフトが加速しています 。

ドイツなどは脱原発を掲げ、再生可能エネルギーへの転換を進めています。

2. 技術革新

再生可能エネルギー技術の進歩とコストの低下が進むと、原子力発電の経済的な競争力が低下する可能性があります。太陽光発電や風力発電の効率が向上し、蓄電技術が進展することで、エネルギー供給の安定性も高まります 。

3. 環境と安全性の問題

原子力発電所の安全性や放射性廃棄物の処理は長年の課題です。福島第一原発事故のような重大事故のリスクや、廃棄物の長期保管の問題が、原子力発電への不安を呼び起こしています 。

これらの懸念が続く限り、原子力発電の新規建設は困難となるでしょう。

4. 経済的要因

原子力発電所の建設および運用には高額な費用がかかります。初期投資の大きさや規制コストの増加が、他の発電方法に対する競争力を低下させる一因となっています 。

5. 社会的受容性

原子力発電に対する社会的受容性も重要です。事故の記憶や環境への影響についての懸念が強い地域では、原子力発電の再開や新設が難しくなります 。

「死ぬ覚悟した」〜福島原発の元運転員、初証言

国別世界の原子力発電依存度ランキング20

※2008年調べ

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インフォグラフィック:原子力発電が世界中で増え続ける理由。リスクを超える必要性
原子力発電依存度の高い国

参照元:https://www.tripadvisor.jp/pages/Nuclear.html

1位:フランス 76.4%

  • 消費電力量:433,481GWh
  • 総発電量:574,868GWh
  • 原子力による発電量:439,468GWh

2位:リトアニア 71.1%

  • 消費電力量:9,045GWh
  • 総発電量:13,912GWh
  • 原子力による発電量:9,894GWh

3位:スロバキア 57.6%

  • 消費電力量:24,765GWh
  • 総発電量:28,962GWh
  • 原子力による発電量:16,703GWh

4位:ベルギー 53.6%

  • 消費電力量:82,686GWh
  • 総発電量:84,930GWh
  • 原子力による発電量:45,568GWh

5位:ウクライナ 46.6%

  • 消費電力量:134,857GWh
  • 総発電量:192,586GWh
  • 原子力による発電量:89,841GWh

6位:アルメニア 42.6%

  • 消費電力量:4,870GWh
  • 総発電量:5,772GWh
  • 原子力による発電量:2,461GWh

7位:スウェーデン 42.5%

  • 消費電力量:128,649GWh
  • 総発電量:150,036GWh
  • 原子力による発電量:63,889GWh

8位:スイス 40.1%

  • 消費電力量:58,728GWh
  • 総発電量:68,984GWh
  • 原子力による発電量:27,700GWh

9位:スロベニア 38.2%

  • 消費電力量:12,806GWh
  • 総発電量:16,399GWh
  • 原子力による発電量:6,273GWh

10位:ハンガリー 37.0%

  • 消費電力量:34,327GWh
  • 総発電量:40,025GWh
  • 原子力による発電量:14,818GWh

11位:ブルガリア 35.0%

  • 消費電力量:28,657GWh
  • 総発電量:45,037GWh
  • 原子力による発電量:15,765GWh

12位:韓国 33.8%

  • 消費電力量:407,156GWh
  • 総発電量:446,428GWh
  • 原子力による発電量:150,958GWh

13位:チェコ 32.1%

  • 消費電力量:58,040GWh
  • 総発電量:82,518GWh
  • 原子力による発電量:26,551GWh

14位:フィンランド 29.6%

  • 消費電力量:82,613GWh
  • 総発電量:77,436GWh
  • 原子力による発電量:22,958GWh

15位:日本 23.8%

  • 消費電力量:964,361GWh
  • 総発電量:1,082,014GWh
  • 原子力による発電量:258,128GWh

16位:ドイツ 23.3%

  • 消費電力量:525,549GWh
  • 総発電量:637,232GWh
  • 原子力による発電量:148,495GWh

17位:アメリカ 19.1%

  • 消費電力量:3,813,520GWh
  • 総発電量:4,369,099GWh
  • 原子力による発電量:837,804GWh

18位:スペイン 18.7%

  • 消費電力量:265,363GWh
  • 総発電量:313,746GWh
  • 原子力による発電量:58,973GWh

19位:ルーマニア 17.2%

  • 消費電力量:41,813GWh
  • 総発電量:64,956GWh
  • 原子力による発電量:11,226GWh

20位:台湾 17.1%

  • 消費電力量:210,102GWh
  • 総発電量:238,324GWh
  • 原子力による発電量:40,827GWh

Posted by Kenji1982