富士山登山前は4ルートを確認。登山道選びで難易度が激変
数字で見る富士山 図解1分でわかる富士山シリーズ第一弾!
富士山は言わずと知れた、標高3,776mの日本一大きな山(※標高2位:山梨県南アルプス 3,193m)です。また世界的にも2015年6月に世界文化遺産として登録され、富士山はさらにメジャーになりました。
その証拠に世界遺産に登録後は、外国人登山者が急増。世界遺産を守り続けるために、「持ってきたものは持ち帰るマナー」は守りましょう。
数字で見る富士山のインフォグラフィックを見て気になったのは、登り下りのルートによって距離・時間が全然違うことです。富士山登山は4ルートありますが、「距離・時間が短い=道が険しい」と判断して良さそうです。
初めて富士山を登る方には、吉田ルートがオススメですね。
富士山登山前は4ルートの難易度
富士山は高山であり、標高が高く気象条件も急変することがあるため、どのルートを選ぶにしても、適切な装備と体力、経験を持って登ることが大切です。また、登山する際には事前の計画と安全対策を万全に行うことをおすすめします。
吉田ルート(北側ルート)
難易度: 初級〜中級
一番人気のあるルートで、初心者から経験者まで幅広く利用されています。施設も整っており、比較的アクセスもしやすいです。ただし、夜間登山が多いため、体力や寒さに注意が必要です。
登山者の約6割がこのルートを選びます。
御殿場ルート(東側ルート)
難易度: 中級〜上級
最も標高が低い地点(1,440m)からスタートする御殿場ルートは、距離も高低差も最大、登山道が険しい部分もあります。経験者向けのルートで、岩場や急斜面が多いため、登山経験と装備が必要です。
ただし下山時に「砂走り」と呼ばれる火山砂利の急坂を駆け下りる体験が人気です。
富士宮ルート(南側ルート)
難易度: 中級〜上級
最も高いスタート地点(2,400m)から登る富士宮ルートは、距離が短く山頂に最も早く着けるが、傾斜がきつく体力が必要です。
岩場や急斜面が多く、特に山頂近くは険しい箇所があります。経験者向けのルートです。静岡県側からのルートです。
須走ルート(西側ルート)
難易度: 上級
登山道が急斜面や岩場が多く、特に山頂直前の箇所は難易度が高いです。初級者には向かないルートで、アルパイン経験や装備が必要です。
森→高山植物→火山砂と、自然の変化が豊かな須走ルートは、混雑も少なく静かな登山が楽しめます。下山では御殿場ルートと合流します。
富士山登山ルートに関するトリビア
下山ルートは登りと違う場合がある
吉田ルートや須走ルートでは、登山道と下山道が別に設けられています。間違えると違う登山口に下りてしまうこともあるため注意が必要です。
各ルートに山小屋が点在しているが要予約
どのルートにも途中に山小屋がありますが、繁忙期は満員になるため早めの予約が必須。最近はネット予約対応の山小屋も増えています。
山頂の「お鉢巡り」で富士山の真の頂上へ
富士山頂には「剣ヶ峰(3,776m)」という最高地点があります。これに到達するには、登った後に「お鉢巡り」と呼ばれる火口をぐるっと回る必要があります。
登山は夜にスタートする人が多い
山頂でご来光を見るために、夜中〜早朝に登山を開始する「弾丸登山」が流行っていますが、高山病のリスクが高いため、推奨されていません。
外国人観光客と富士山の登山ルールに関するトリビア
外国人観光客が富士山に多く訪れる理由
富士山は日本を象徴する存在として、外国人観光客に絶大な人気を誇ります。とくに「一生に一度は登りたい山」として知られ、夏の登山シーズンには、登山者の3割以上が外国人になる日もあります。
登山マナーの違いが問題になることも
海外では登山に関する文化や常識が日本と異なるため、ゴミの放置、指定ルート以外での行動、仮眠の仕方などでトラブルになるケースもあります。環境保護と安全確保の観点から、ルールの周知が課題です。
外国人観光客向けのルール説明が強化されている
富士山の登山ルールやマナーを英語や中国語など多言語で説明する看板やパンフレットが、ここ数年で急増しました。ウェブサイトやSNSでもガイドラインが発信されており、「登山前に読むべき情報」が整備されつつあります。
登山料の導入で管理体制も強化
富士山では、混雑緩和と安全管理を目的に登山者一人あたり1,000円の「任意協力金」を求めています。外国人観光客の増加により、この制度が登山道の整備やトイレの維持管理、救護体制の充実に役立てられています。
「弾丸登山」は注意喚起の対象に
深夜に登山を開始し、休憩も取らずご来光を見る「弾丸登山」は、外国人観光客に多く見られる行動の一つ。高山病や滑落のリスクが高いため、登山前の知識教育が各所で強化されています。
ツアー参加が安全面でも推奨される
最近は、英語ガイド付きの富士登山ツアーが人気で、マナーや装備の指導も行われます。個人での登山よりも安全で、地域のルールも守られやすいとされています。
富士山登山 五合目から頂上まで
数字で見る富士山事情
インフォグラフィックから読み解く
インフォグラフィックはクリックすると拡大できます
参照元:http://www.fujiyama-navi.jp/infographics/figures/
裾野面積:約1,200㎢
沖縄本島とほぼ同じ面積(1208.29㎢)
体積:約1400㎦
日本の水の使用量1385.5㎦
山頂周囲:約3㎞
1周すると時間は約1時間~1時間30分(お鉢めぐり)
登山コースの距離と時間
<距離で比べる4ルート>
- 吉田ルート:登り7.5㎞ 下り7.5㎞
- 須走ルート:登り8㎞ 下り6㎞
- 御殿場ルート:登り11㎞ 下り8.5㎞
- 富士宮ルート:登り5㎞ 下り5㎞
<時間で比べる4ルート>
- 吉田ルート:登り5時間 下り3時間
- 須走ルート:登り5.5時間 下り3時間
- 御殿場ルート:登り7.5時間 下り3.5時間
- 富士宮ルート:登り5時間 下り3.5時間
富士山の気候(平均気温と最深積雪量)
- 1月:気温 -18度:最深積雪量 122㎝
- 2月:気温 -17度:最深積雪量 128㎝
- 3月:気温 -15度:最深積雪量 175㎝
- 4月:気温 -9度:最深積雪量 199㎝
- 5月:気温 -5度:最深積雪量 191㎝
- 6月:気温 0度:最深積雪量 119㎝
- 7月:気温 6度:最深積雪量 3㎝
- 8月:気温 7度:最深積雪量 0㎝
- 9月:気温 3度:最深積雪量 5㎝
- 10月:気温 -5度:最深積雪量 22㎝
- 11月:気温 -9度:最深積雪量 50㎝
- 12月:気温 -15度:最深積雪量 89㎝
世界遺産に登録されるまで
- 平成17年12月19日
富士山世界文化遺産登録推進両県合同会議発足 - 平成18年11月10日
「暫定リスト素案」を分かh校に提出 - 平成19年1月31日
外務省が暫定リストをユネスコに提出 - 平成19年6月27日
暫定リスト掲載(第31回ユネスコ世界遺産委員会) - 平成24年1月27日
推進書(正式版)のユネスコへの提出 - 平成24年8月29日
イコモスによる現地調査 - 平成25年4月30日
イコモスによる世界遺産登録勧告 - 平成25年6月
世界遺産登録(ユネスコ)
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