広島の原子爆弾投下から70年。核兵器の破壊力は当時の3333倍に
日本に落ちた核兵器(原子爆弾)は進化し続けている
1945年8月6日(月)午前8時15分、広島県広島市に人類史上初めて核兵器(原子爆弾)が使用されました。日本に落とされた原子爆弾はすべてを焼き尽くし、多くの犠牲者を出しました。
日本へ投下された原子爆弾は、これまでもこれから先も語り継がれ続ける、実戦で唯一使用された核兵器です。その核兵器は、広島に投下されてから70年の間に信じられない進化を遂げています。
広島に投下された原子力爆弾の破壊力は15キロトン。アメリカ海軍の原子力潜水艦に積まれている「トライデント・ミサイル」の核弾頭は、約100キロトン。広島に投下されたもよりも約7倍も強い破壊力を持っています。
もっと恐ろしいことは、1970年代に旧ソビエト連邦が作った史上最大の水素爆弾「ツァーリ・ボンバ」の破壊力は、広島に投下されたものよりも約3333倍強い破壊力を持っています。
これらの核兵器爆弾は強力過ぎて、実際の戦争では使用できません。しかし、より強い核兵器が作られ続けているのが現実です。
実践では使用できない核兵器爆弾を開発する理由は、国家権力を誇示するためです。今も「核」を保持したい、保持しようとしている国は、一つ二つの国だけではありません。
核兵器がなくなる日は、どうしたら来るのででしょうか。
💣 核爆弾に関するトリビア
マンハッタン計画の電力消費
原爆開発のためのウラン濃縮施設(オークリッジ)は、当時のアメリカ全体の電力の約10%を消費していた。
「リトルボーイ」は一度も試験されなかった
広島に投下されたウラン型原爆「リトルボーイ」は、構造がシンプルすぎて「試験不要」とされ、実験なしで実戦投入された。
→ 一方、長崎のプルトニウム型「ファットマン」は事前にニューメキシコで実験(トリニティ実験)が行われている。
爆風より熱線の方が広範囲
原爆のエネルギー配分はだいたい
- 爆風:50%
- 熱線:35%
- 放射線:15%
とされ、直接の爆風以外にも「熱」で大規模被害が広がった。
「人類史上最大の爆弾」ツァーリ・ボンバ
ソ連が1961年に実験した水爆は50メガトン(広島型の約3,000倍)。
本来は100メガトン設計だったが、放射能汚染を考えて出力を半分に落とした。
爆発で発生した衝撃波は地球を3周したとされる。
核爆発の「色」
映像で見る白い閃光は、実際には紫外線や青色成分が非常に強く、人間の目には「白」に見えるだけ。実際には超高温プラズマの輝き。
意図せぬ“核の事故”
1961年、アメリカ・ノースカロライナ州でB-52が墜落し、水爆2発を落とした。安全装置のうち5つが壊れ、残り1つだけが作動して「核爆発を防いだ」。
→ “人類史上、最も危なかった未遂”と呼ばれている。
人工の“二度目の太陽”
太平洋での水爆実験では、爆発の閃光が昼間の太陽よりも明るく、数百キロ離れた地点でも影ができたと報告されている。
【実話】長崎原爆のリアル…一瞬で街が消えた。川が真の地獄
核爆弾のパワー
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参照元:http://www.fastcodesign.com/1669575/ingeniously-charting-the-horrifying-power-of-todays-nuclear-bombs
アメリカの核兵器歴史
LITTLE BOY(リトルボーイ)
- 破壊力:15キロトン
- エリア:1945年8月6日(月)午前8時15分 日本 広島県 広島市投下
- 開発国:アメリカ合衆国
LITTLE BOY(ファットマン)
- 破壊力:21キロトン
- エリア:1945年8月9日(木)午前11時2分 日本 長崎県 長崎市投下
- 開発国:アメリカ合衆国
IVY KING(アイビーキング)
- 破壊力:500キロトン
- エリア:1952年11月16日 エニウェトク環礁ルニット島にて核実験
- 開発国:アメリカ合衆国
B53
- 破壊力:9000キロトン
- エリア:キューバ危機によりアメリカとソ連の対立が深まった時期に開発
- 開発国:アメリカ合衆国
CASTLE BRAVO(キャッスルブラボー)
- 破壊力:15000キロトン
- エリア:1954年3月1日ビキニ環礁にて核実験
- 開発国:アメリカ合衆国
世界の核保有国
公式に核保有国とされる国(核拡散防止条約〈NPT〉で認められている5カ国)
- アメリカ
- ロシア
- イギリス
- フランス
- 中国
NPT非加盟で核保有している国
- インド
- パキスタン
- 北朝鮮
「事実上の核保有国」とされる国
- イスラエル(公式には核保有を認めても否定もしていない「核の曖昧戦略」)
合計で9カ国が「核保有国」とされています。
👉 ちなみに、NATOの一部加盟国(ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコ)は「核共有」制度でアメリカの核兵器を配備しているが、これは「自国の核」とは扱われません。
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