映画配給会社売上No.1は、ディズニーやワーナーを抜いてソニーピクチャーズ
ハリウッドの映画経済事情
ハリウッド映画の配給会社は、右肩上がりに成長しています。6大スタジオを合わせた市場占有率は、75%以上です。
その中でもっとも売上が高い配給会社は、ウォルト・ディスニー・カンパニーやワーナー・ブラザーズを抜いてソニーの子会社、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(Sony Pictures)。
また日本の配給会社の東宝は、ハリウッド映画の配給会社各社の売上と比べても引けを取っていませんね。今後東宝が、6大スタジオの中に入り込んでくる可能性は十分ありそうです。
映画制作に関するトリビア
全作品*1の上位5%の映画は、総製作費*2の5分の1を占め、全世界興行収入*3の4分の1以上を占めると言われています。
また全作品*1の上位10%の映画は、総製作費*2のおよそ3分の1を使ったが、全世界興行収入*3の5分の2を生み出すともいわれます。
*1過去5年間に公開された映画
*2過去5年間に公開された映画の総製作費
*3過去5年間に公開された全世界興行収入
元ワーナー・ブラザース社長アラン・ホーンの映画集客理論
映画製作の費用に関わらず、観客が映画を観るときに払う値段は同じ。製作費が1,500万ドルでも1億5,000万ドルでも関係ない。だから、多額のお金を費やすのはビジネス的には不合理。
だけど映画製作費に多額を費やすのは、映画館に足を運んでもらうため。制作費をかけた多くの映画の方が、映画館に足を運んでくれそうなファンの気持ちに訴えるはず。
- スターを出演させれば客が呼べるが、費用がかさむ
- 特殊効果で見た目にインパクトを与え客を呼べるが、やはり費用がかさむ
- 映画を売り込むにも費用がかさむ
莫大な制作費用と興行収入には、相関関係があり、ワーナー・ブラザーズは、1年で限られた本数の映画に集中投資することで大成功。そして、全米興行収入が11年連続で10億ドルを超えた史上初の映画スタジオに。
映画の興行収入に関するトリビア
最も興行収入を稼いだ映画は『アバター』
ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(2009年)は、全世界で約29億ドル以上の興行収入を記録し、歴代1位を維持。2021年には『アベンジャーズ/エンドゲーム』が一時追い抜いたが、再上映で『アバター』が再び1位に。
日本映画の興行収入1位は『鬼滅の刃 無限列車編』
2020年公開の『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は、日本国内で400億円を超える興行収入を記録し、歴代1位。『千と千尋の神隠し』を抜いてトップになった。
アニメ映画は世界でも稼ぐジャンルに成長
『アナと雪の女王』シリーズ、『スーパーマリオ』など、アニメ映画が国際市場で10億ドル超えを達成する例も増えており、大人向けでも需要が拡大中。
興行収入と利益は別モノ
映画が大ヒットしても、制作費・広告費・配給手数料などが高ければ「赤字」のことも。逆に低予算ホラー映画(例:『パラノーマル・アクティビティ』)が大きな利益を生むケースも。
中国は今や最大級の興行市場
かつてはアメリカが世界最大の映画市場だったが、2020年代以降、中国がチケット販売数や収入で逆転することも増えている。作品によっては中国市場だけで数百億円を稼ぐ。
興行収入は“週末初動”でほぼ決まる
大作映画の成否は公開最初の週末で7〜8割決まるとも言われ、宣伝やSNS戦略はこのタイミングに集中する。逆に初動が悪くても口コミで息を吹き返す「スルメ映画」もある。
ジブリ全長編アニメ映画 興行収入ランキング
【国内】アニメ別年間映画興行収入ランキング2001-2019
ハリウッドの映画経済事情 6大スタジオ比較
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参照元:https://infogra.me/ja/infographics/10429
Sony Pictures entertaimet(ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)
売上:1406.7億円 市場共有率:17.5%
Disney(ウォルト・ディズニー・カンパニー)
売上:1185.5億円 市場共有率:14.8%
Warner(ワーナー・ブラザーズ)
売上:1135.4億円 市場共有率:14.1%
Universal(ユニバーサル・ピクチャーズ)
売上:967.7億円 市場共有率:12%
20th Century FOX(20世紀フォックス)
売上:772.2億円 市場共有率:9.6%
Paramount(パラマウント・ピクチャーズ)
売上:640億円 市場共有率:8%
日本スタジオ事情
東宝:売上:699.4億円(設立1932年)
松竹:売上:77.4億円(設立1920年)
トップシリーズランキング
ハリーポッター
売上:6164.8億円 映画数:8(ワーナー)
007
売上:4776.8億円 映画数:25(ソニー)
スター・ウォーズ
売上:3505億円 映画数:6(ワーナー)
男はつらいよ
売上:469億円 映画数:48(松竹)
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