大相撲の取組の決め方。決まり手はほぼ2種類の技

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大相撲の取組は1年で1824取組

日本国技の大相撲は、幕内力士の定員42人が定められ、息詰まる取組が行われています。

一年間に相撲は6ヶ場所で開催されます。一場所での取組の数は、初日から千秋楽まで全部で15回行われています。年間を通して取組を行った力士は、1年間で90回取組を行っていることになります。

その取組の中で「どんな決まり手が多いのか」をまとめてわかった意外な事実をご紹介します。
※平成27年の1月場所から11月場所までの全6場所・全1824の取組の決まり手を調査

大相撲の決まり手に関する事実

相撲の決まり手は全部で82手ありますが、上位の20手を知っていれば、大相撲観戦を十分に楽しむことができることが、今回の調査でわかりました。

なぜなら、もっと上位20の決まり手を頭に入れておけば、そのいずれかの決まり手で勝負が決まるからです。上位20の決まり手で勝敗がつく確率は、驚きの93.4%です。残りの62の決まり手は、あまり見ることができないということです。

また個人的にが最も興味深かったのは、「寄り切り」と「押し出し」の2つ決まり手が、全取組の半分以上だということです。1日の取組数は約100番なので、50の取組が「寄り切り」か「押し出し」の決まり手で勝負がつくということです。

大相撲を観戦する際は、ぜひ20手の決まり手を覚えてから行くことをオススメします。

一日に行われる取組数

  • 幕内  18組
  • 幕下  30組
  • 十両  13組
  • 三段目 48組

※力士の定員によって、取組数も変わります。

大相撲の決まり手に関するトピック

  • 全取組の半分以上が、「寄り切り」と「押し出し」の決まり手
  • 「寄り切り」が、全取組の三分の一の決まり手
  • 全取組の60%が、「寄り切り」と「押し出し」「はたき込み」のいずれかの決まり手
  • 全取組の85%が、トップ10の決まり手
  • 全取組の96%が、トップ20までの決まり手
大相撲の決まり手ランキング
大相撲の決まり手の割合を表した円グラフ

幕内力士の番付

幕内力士は番付は、上から横綱・大関・関脇・小結・前頭と区分けされています。その中で、大関・関脇・小結を総称して三役と呼び、前頭の力士を三役力士と区別する際は平幕と呼んでいます。

力士たちを指して漠然と幕内と表現する場合は、横綱・大関を除いた、番付が幕内で頻繁に入れ替わる関脇・小結・前頭の集団を総称している場合も多いです。

決まり手

しかけた力士によって勝ちが決まったときの技を「決まり手」と呼びます。現在は八十二手、と決められていますが、他にも非技という五つの勝負結果があります。

大相撲年間スケジュール

開催名開催都道府県会場
一月場所:初場所東京都国技館
三月場所:春場所大阪府国技館
五月場所:夏場所東京都国技館
七月場所:名古屋場所名古屋ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)
九月場所:秋場所東京都国技館
十一月場所:九州場所福岡福岡国際センター

大相撲の取組の決め方に関する11ルール

大相撲の取組は「番付」が最優先で決まる
基本ルールはシンプルで、同じ階級・近い番付の力士同士が当たる。勝ち数が多いからといって、番付を無視した対戦は基本的に組まれない。

取組を決めているのは「取組編成会議」
本場所中、協会の親方たち(審判部)が集まり、翌日以降の取組を決定する。データだけでなく、内容・因縁・流れも考慮される。

序盤は番付通りに淡々と組まれる
初日から中盤までは、基本的に番付順で対戦。
この段階では「盛り上がり」よりも「公平性」が優先される。

中盤以降は成績が強く意識される
7日目以降になると、優勝争い・勝ち越し争いが見え始めるため
・同じ勝敗同士
・優勝に関係する力士
を意識して組まれるようになる。

横綱・大関は特別扱い
上位陣は下位と当たりにくく、基本は「上位総当たり」。
横綱は終盤まで温存され、優勝争いの山場でぶつけられる。

同部屋対戦は原則なし
同じ相撲部屋の力士同士は、本場所では原則対戦しない。
例外は優勝決定戦のみ。

過去の因縁やストーリーも考慮される
直接の公式ルールではないが
・因縁の対決
・リベンジマッチ
・初顔合わせ
など、観客の盛り上がりも意識される。

千秋楽は「ドラマ重視」
千秋楽は特に
・優勝が決まるか
・巴戦になるか
・横綱の意地
といった要素を最大化するよう組まれる。

勝敗操作や忖度は禁止されている
現在は厳格な監視体制があり、取組編成も記録が残る。
「八百長を前提に組む」ことは制度上できない。

優勝決定戦は番付を無視する
同成績で並んだ場合は、番付関係なく優勝決定戦を実施。
ここだけは完全な実力勝負。

取組の順番(結びの一番)も重要
最後の取組に誰を置くかで、会場の空気が変わる。
原則は横綱だが、優勝争い次第で柔軟に調整される。

大相撲観戦のトリビア

相撲観戦は「朝」から始まっている
テレビ中継は夕方からだが、本場所は朝から進行している。早い時間は序ノ口・序二段で、入場料を払えば朝から最後まで観戦可能。

枡席は元々“庶民向け”だった
現在は高額な枡席だが、江戸時代は地べたに座る一般向け観戦スタイル。足がしびれるのは本来の仕様。

力士は土俵上では絶対に走らない
どんなに急いでいても、土俵に上がるときは必ず歩く。土俵は神聖な場所で、走る行為は無作法とされる。

行司の軍配は絶対ではない
軍配が上がっても、審判(親方衆)が物言いをつければ判定は覆る。行司は負けると「差し違え」として減俸されることもある。

懸賞金は力士が全額もらえるわけではない
土俵上で受け取る封筒の中身は一部のみ。税金や協会積立を引いた残りが実際の手取り。

塩は滑り止めの意味もある
清めの意味が有名だが、汗で滑りやすい土俵を整える実用的な役割も果たしている。

取組表は番付が絶対優先
勝敗成績よりも番付が優先されるため、「調子が良い力士同士」が必ず当たるわけではない。

座布団は投げていい公式ルールは存在しない
金星が出ると座布団が舞うが、実は正式には禁止行為。最近は注意や没収が厳しくなっている。

国技館の焼き鳥は力士が作っている
両国国技館の名物焼き鳥は、元力士や力士OBが調理に関わっている。観戦グルメも相撲文化の一部。

力士は土俵下でも上下関係が絶対
廊下や楽屋でも番付順が厳格。年齢や実力より「番付」がすべてを決める世界。

観戦中に力士がよく見る方向がある
取組前、力士がチラッと見る方向は自分の付き人や親方がいる位置。精神的なルーティンの一部。

相撲観戦は音を楽しむ競技
ぶつかる音、足音、行司の声、観客のざわめき。生観戦ではテレビでは伝わらない“音の迫力”が最大の魅力。

貴乃花 vs 朝青龍「ガチンコ」

大相撲の決まり手ランキング20

インフォグラフィックから読み解く

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インフォグラフィック:大相撲観戦者必見。取組の半分は2種類の技(決まり手)で決着
大相撲の決まり手ランキング

参照元:http://jp-infographics.jp/culture/%E5%A4%A7%E7%9B%B8%E6%92%B2%E3%81%8C%E3%82%82%E3%81%A3%E3%81%A8%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%B1%BA%E3%81%BE%E3%82%8A%E6%89%8B%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B020.html

※平成27年の1月場所から11月場所までの全6場所・全1824の取組の決まり手を調査。

寄り切り

相手に体を密着させて前か横に進んで、土俵の外に押し出す技。

押し出し

両手または片手を筈にして、相手の脇の下や胸に当て、土俵の外に出す技。

※筈:親指と他の四本指をY字に開くこと

はたき込み(叩き込み)

体を開き、片手か両手で相手の肩、背中などをはたいて土俵にはわせる技。

突き落とし

四つに組んだり押し合いになったとき、片手を相手のわき腹や肩に手を当て、身体を開きながら相手を斜め下に押さえつける技。

上手投げ

四つに組んだときに、相手の指し手の上から廻しを摂って投げる技。

右上手から投げれば「右からの上手投げ」。相手が倒れなくとも、その投げによって相手が土俵に出れば、決まり手は「上手投げ」に

突きだし(突き出し)

相手の胸や肩などを手のひらで強く突っ張って土俵の外へ出し勝つ技。

※相手を突きだすには、手の力だけでなく、同時に鋭い出足が大切

寄り倒し

相手に体を密着させて前に寄って、体を密着させたまま、相手に体をあずけ倒す技。

引き落とし

相手の腕や肩を引いたりして自分の前に引き倒し土俵にはわせる技。

前回しを掴んで引くこともある

押し倒し

土俵の内外に関係なく両手又は片手を筈にして相手の体を押し、倒す技。

相手が倒れないで土俵の外に出た場合の決まりでは、「押し出し」に

送り出し

相手の横や後ろに回り、突くか押して土俵の外に出す技。

このときにまわしを取っても構いません。土俵内で倒すと、「送り倒し」に

すくい投げ(掬い投げ)

下手を差したら廻しを取らずに腕を返して相手を脇の下から上へすくい上げるように投げを打って倒す技。

小手投げ

相手の指し手を外側から抱え込み、上から押さえつけるようにして相手を投げる技。

相手に刺されて寄られたときに逆転する技であり、廻しを取らずに強引に投げる技なので相手からの反撃にあうことも多い

下手投げ

四つに組んだときに、相手の廻しを差し手の下で取って投げる技。

右下手から投げれば「右からの下手投げ」。相手が倒れなくとも、その投げによって相手が土俵の外に出れば、決まり手は「下手投げ」に。

上手出し投げ

相手の廻しを上手で取った肘で相手の指し手を押さえ、廻しを取らない方の足を引いて体を開き、相手の体を前へ押し出すように投げる技。

相手は引きずられるようになり、土俵にはうように倒れる

肩透かし

差し手で相手の腕の付け根を抱えるか、または腕に引っ掛けるようにして前に引き体を大きく開きながら、もう一方の手で相手の肩などをはたいて引き倒す技

きめ出し(極め出し)

相手の指し手の関節を外側から腕を回して入れて締めつけ、相手の体の動きを制したまま寄って土俵の外へ寄り切る技。

両差しを許した場合、相手の両手の関節を締めつける場合もあるが、もろ差しを許すのは脇が甘いからで、うまい相撲とは言えない。相手の両腕の関節を締めつけることを「閂:カンヌキ」ともいう

渡し込み

上手になった手で相手の膝か太ももを外側から抱え込んで内へ引き、もう一方の手で相手の胸を突くか、身体をあずけて相手を倒す技。

首投げ

相手の首に自分の左右いずれかの腕を巻きつけ、腰を入れて体をひねりながら相手を巻き込むように投げる技。

相手に両差しを許して廻しを取れないまま、土俵際に追い詰められたときに逆転を狙う捨て身の技

引っ掛け

突っ張りなど相手が突きや差しで攻めてきたとき、相手の腕を両手で掴み引っ掛けるようにして体を開き、相手を前に落とすか土俵の外へ飛び出させる技。

Posted by webclim1109