日本への移民受け入れ毎年20万。まずは在日外国人の社会問題改善が優先
日本は在日外国人が安心して住める国なのか
2000~2015年までに日本人の人口は、約100万人減りました。安倍政権では「一億総活躍社会」が掲げられ、「希望出生率1.8*」に向けて新制度が検討されています。
*希望出生率=既婚率や未婚率に予定・理想とする子どもの数をそれぞれ掛け合わせ、「国民の希望がかなった場合の出生率」と定義し、約1・8と算出されたもの。
2014年より政府は、毎年移民20万人を受け入れる「人口減少歯止め策」を検討していますが、実施した場合の長期的な効果として、目的を達成できるのでしょうか。仮に移民政策を実行するとした場合、改善しなければいけない問題があります。
それは外国人が、日本の医療にかかりづらくなっていることです。厚生労働省の調査では、在日外国人は日本人より死亡する確率が高いという結果が出ています。
少子化対策失敗と移民受け入れ
労働者を確保するために、日本での移民の受け入れ策は必要なことかもしれません。しかし少子化問題を解決するための策としてはいかがなものでしょうか。日本の人口穴埋め策は、万能だと思っているのかもしれませんが、迷走しているように思えます。
出生率は、第二次ベビーブーム(1971~1974年)出生率2.14をピークに減少し続けています。2015年の出生率は、2014年の1.42を上回ると予想されていますが、大きな伸びは期待できません。ここまで下がってしまった以上、出生率の特性上急回復することは難しそうです。
人口減少や少子高齢化社会の問題は、ずいぶん前からわかっていたことなのに、なぜ対策を後回しにしてしまったのでしょうか。そのツケを精算するときが、迫ってきています。
あなたは、少子化対策としての移民の受け入れに賛成ですか?
医療格差の背景にある「4つの社会問題」
在日外国人の死亡率や健康格差が高い背景には、医療制度そのものの問題だけでなく、彼らが日本社会で直面している複合的な「社会問題」が絡み合っています。単純に受け入れ人数を増やす前に、以下の4つの壁を取り払う必要があります。
- 1. 言語と情報の壁(言葉が通じない恐怖) 日本語が十分に話せないことで、病院での症状説明ができないだけでなく、行政手続きや災害時の避難情報から取り残されてしまいます。「どこに助けを求めればいいかわからない」という情報孤立が、手遅れを生む最大の原因です。
- 2. 労働環境の壁(不安定な雇用と待遇) 技能実習生をはじめとする多くの外国人労働者が、低賃金や過酷な労働環境に置かれるケースが後を絶ちません。非正規雇用も多く、社会保険に未加入のままケガや病気になり、医療機関を受診できないという負の連鎖が起きています。
- 3. 住居の壁(外国人お断りの実態) 「言葉が通じない」「文化やルールの違いでトラブルになりそう」といった大家側の懸念から、外国籍であることを理由に入居を断られるケース(ハウジングプア)が依然として多く存在します。安定した生活基盤が築けなければ、心身の健康を保つことは困難です。
- 4. 子どもの教育の壁(不就学と貧困) 親の仕事の都合で来日した子どもたちが、日本語指導の不足から学校の授業についていけず、不登校や不就学になる問題が起きています。教育格差は将来の就労格差に直結し、貧困が世代を超えて連鎖するリスクをはらんでいます。
「労働力」としてだけでなく「生活者」として迎え入れる覚悟
日本がこれから目指すべきは、単なる労働力の穴埋めではありません。地域社会の一員として彼らが安心して暮らし、能力を発揮できるような「多文化共生」のインフラ整備こそが、急務となっています。
移民亡国ドイツ 日本も同じ道を歩むのか
在日外国人の健康格差
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参照元:http://share.or.jp/health/library/infographics/010.html
2020年東京オリンピックが決定しました。世界中の人々がオリンピックを機に日本に訪れます。また2014年2月に、政府は「目指すべき日本の未来の姿について」として、人口1億人を維持するために毎年20万人の移民を受け入れる案を発表しました。
多くの外国人が日本に訪れるとき、日本は外国人が安心して住むことができる国となっているでしょうか。「外国人の健康」という切り口から、日本の現状を見てみました。
日本で暮らす外国人は、日本人より死亡する確率が高い?
年齢調整死亡率*1
1人口10万人に対し、何人死亡しているかを換算した値。この10年で確実に改善。しかし、いまだ女性での格差が大きい状況です。
乳幼児
0~4歳で落とす命の割合が高い。状況が改善しても、格差が縮まらないのはなぜでしょうか。
心疾患
男女ともに心疾患。救急医療と関連がある可能性があります。
国際化する日本 平等な医療の提供は、国際貢献の一つ
外国人登録者
今後、外国人登録者(在留外国人)*2の増加が想定されます。しかし、適切な受け入れ体制がなければ、格差・階層分化が生まれてしまいます*3。
2020年の外国人登録者数予測は年間20万人
政府は2015年より、毎年20万人の移民を受け入れる方針でした。2020年東京オリンピック開催時は、在日外国人登録者数は2011年の1.2~1.4倍になる想定です。
国籍の内訳は190ヶ国
約190ヶ国の外国籍の人々が日本で暮らしています。そのうちたった2割のなかに185の国籍の人々がおり、少数であるほどサポート体制が脆弱です。以下は「日本にいる外国人の全体に対する割合」を表したランキングです。
- 日本にいる外国人全体の32%が中国人
- 日本にいる外国人全体の27%が韓国&朝鮮人
- 日本にいる外国人全体の11%がフィリピン
- 日本にいる外国人全体の10%がブラジル
- ペルー
- アメリカ
- ベトナム
- タイ
- インドネシア
- インド
外国人登録者が多い自治体
外国人登録者が多い自治体は首都圏に限らず、浜松市や鈴鹿市など工場がある地方都市も含まれます。地方都市における外国人のサポート体制が求められています。
- 東京都新宿区 34,433人
- 大阪府生野区 29,549人
- 東京都江戸川区 24,120人
- 東京都足立区 23,135人
- 埼玉県川口市 21,624人
「個人レベルの国境」を超える
今、世の中では国と国の対立ばかりが話題になっています。社会と社会でなく、個人同士で困っている人がいたらどうするか、ということをもっと考えると、違う展開になるかもしれません。
個人レベルの国境を越えていく必要があるのではないでしょうか。
*1 年齢調整死亡率:年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比較ができるように年齢構成を調整した脂肪率です。「昭和60年モデル人口」の人口構成を基に算出しています。
*2 2012年7月出入国管理及び難民認定法等の改正にともない、外国人登録法が廃止されました。多々らしい在留管理制度の対象となる「中長期在留者」及び「特別永住者」を合わせて「在留外国人」
といいます。2011年までの外国人登録者数と在留外国人数を単純に比較することはできません。
*3 外国人登録者数・自治体別外国人登録者数:2011年、都道府県人口:2012年、自治体人口:2010年
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