検索エンジン解析で見えるユーザー行動
AI主流になっても、結局検索エンジンはなくならない
検索エンジンは、スマートフォンが普及して利用シーンが大きく変わりました。
これまでは調べ物をするときは、事務所や家でパソコンをするのが当たり前でしたが、スマートフォンのおかげで移動しながら、調べ物をすることができるようになりました。
同機能がどれだけの新規ユーザーを取り込み、どれだけ私たちの生活を便利にしたかは計り知れません。これはインターネットにおける革命です。
会社通勤や帰宅の際にニュースを見たり、訪問先へ向かうときスマホで移動しながら行き先を確認したり、暇な時間にゲームしたり。スマートフォンは、今まで何もしていなかった移動時間が、情報を見る時間へ変わりました。
そして、ChatGPT(AI)が誕生。私たちは今までよりも早く、正確な情報を手に入れることが容易になりました。
ネットに費やさる時間が増え、ユーザー行動がより鮮明に
スマートフォンの普及でインターネットがより身近に利用できるようになり、検索や動画視聴、ネットを返した様々なサービスに費やす時間が右肩に上がりです。スマートフォンは、私たちのインフラんあったことは言うまでもありません。
スマートフォンが普及する前のユーザーの行動は、アンケート調査などを行うことで分かってきましたが、これからはインターネットのログを取ることでユーザーの行動が鮮明になっていきます。
これまでよりも私たちの「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」の情報があからさまになり、私たちとインターネットが切っても切り離せない関係になっていくのは言うまでもありません。
生活が便利になることを考えれば天国ですが、個人のプライバシーが無くなっていくことを考えると地獄かもしれません。
検索エンジン動向分析:サイト運営者スコープ
- 日中は仕事で事務作業を行う人が多く、デスクトップの利用者が高い傾向
- インターネット検索リテラシーが高いユーザー層(44~54歳以下)は、Googleを使って検索。55歳以上のユーザーや女性は、Yahoo!の検索エンジンを利用。※インターネット検索リテラシー=インタネットの検索を日常的に利用。
→20年後、または30年後はYahoo!検索エンジンのシェアは激減し、検索エンジンはGoogleの独占状態になる可能性が高い。 - 検索エンジン、デバイス、OSどのセグメントの仕方でも検索キーワードは1語、又は2語で90%以上を占めている。
→SEO対策の基本はキーワードは1語、又は2語。ロングテールのキーワードで考える場合はそれ以上のキーワード数を対象とする。 - 今後デスクトップは縮小傾向になることは、大手企業のパソコン売上より明らかです。ただパイが小さくなるだけで、無くなるわけではありません。モバイルとデスクトップのどちらに注力すべきかは明らかです。
→今後もモバイルファーストの考え方は一層強くなっていきそうです。
検索エンジンは消えるのか?
結論、検索エンジンは“形を変えて”残る。完全に消える可能性はかなり低い。
検索エンジンが消えない理由
- 情報探索の入口としての役割が強すぎる
SNSやAIが台頭しても、「網羅的に探す」「一次情報を確実に拾う」ニーズは消えない。
例えば法律、医療、統計、公式資料の検索はSNSやAIでは不正確になりがちで、検索エンジンの方が信頼性が高い。 - 企業・自治体・メディアが依存している
世界中の企業がGoogle検索を前提に集客モデルを設計している。
この構造は一朝一夕では変わらない。 - AIも結局は検索(インデックス)を必要とする
大規模言語モデルも、最新情報を扱うためにはWebデータの収集=検索技術を流用する。
AIが強くなるほど「検索技術」が裏側で重要になる。 - 市場規模が巨大で、消えると混乱が大きすぎる
Google単体の広告売上は兆単位。
これが突然消えるのは、経済構造的に難しい。
ただし“今の形”は消える可能性が高い
SEOが衰退し、コンテンツ品質の評価軸が変わる
“検索結果に最適化”から
“AIに引用されやすい構造”へシフトする。
AIポータル化で検索の入口が変わる
文字を打って10件のリンクを見る形式は減る。
質問→回答=チャット型が主流になる。
検索エンジン=バックエンド化する
表にはAIアシスタント
裏には「検索・インデックス・ランキング」が動く
という分業になる可能性が高い。
検索エンジンのトリビア
① Googleの最初の名前は“BackRub”だった
リンクを“背中(back)をこすり合うように評価し合う”という考え方から付いた名前。のちに語感が悪いと判断されてGoogleに変更された。
② 検索エンジンの9割以上が“検索しない”で答えを返している
ユーザーへの表示は一瞬だが、裏側では事前に収集した膨大なデータベース(インデックス)から返している。リアルタイムでウェブを読みに行っているわけではない。
③ Googleは1ページ目の表示位置で“クリック率が10倍以上”変わる
1位と2位でもクリック率に大差があり、3位からは急に落ちる。2ページ目に行くとほぼゼロに近いレベルまで下がる。
④ “検索ボリューム0”でも実際は検索されている
ツール上で0と表示されるキーワードでも、少量の検索が毎日発生している。Google側が統計的に表示していないだけで、完全なゼロではない。
⑤ 検索結果に出ない“ダークウェブ”は全体の9割以上と言われる
一般検索では到達できないデータ(ログインが必要、動的生成ページなど)は膨大で、検索エンジンが扱えるのはごく一部。
⑥ Googleはユーザーの“意図”を推測して結果を変える
同じキーワードでも、人によって検索結果が変わる。過去の検索・位置情報・時間帯から“意図”を読み取り、結果を最適化している。
⑦ Bing検索の裏側にはChatGPT関連技術が組み込まれている
大規模言語モデルを検索に組み合わせる形式はBingが早く、回答形式が“会話型”になったことでGoogleも似た機能を搭載する流れができた。
⑧ “クローラーが来るタイミング”は一定ではない
人気サイトや更新頻度の高いサイトには頻繁に訪れ、弱いサイトにはなかなか来ない。これがSEOで「強いサイトはさらに強くなる」と言われる理由の1つ。
⑨ 検索エンジンは“複数のAI”でページを評価している
ランキングAI、スパム検知AI、品質評価AIなどが別々に動いていて、総合点で順位が決まる。実は1つのAIが管理しているわけではない。
Google検索の裏ワザ
検索エンジン動向分析
インフォグラフィックから読み解く
インフォグラフィックはクリックすると拡大できます
参照元:http://infographic.jp/gallery/search-engines/
時間帯ごとに利用されているデバイス
- 基本的にPCの利用率が高いが、夜(20時以降)はスマートフォンの利用が高くなる。
- 夕飯時(19時)はPCの利用率が低くなる。
- 昼休憩時(12時)はスマートフォンの利用率が高くなる。
検索エンジンのシェア
年齢層ごと
- 45~54歳以下の年代は、Googleのシェアが最も高い。
- Googleは、スマートフォンでの利用率が高いことから、スマートフォン所持率が高い若年層でシェアが高まった。
- bingのシェアは、最も高い65才以上でも約4%で、国内シェアはどの年齢層でも低い。
性別ごと
- 男女ともにGoogleのシェアが最も高い結果になった。
- 女性は男性と比較すると、GoogleよりもYahoo!を利用する傾向がある。
OSごと
- WindowsとiOSは、Yahoo!でのシェアが最も高い。
- GoogleはすべてのOSでシェアが高い。
検索時に使用されているキーワードの掛け合わせ数
検索エンジンごと
- どの検索エンジンにおいても、検索は1語で行われる事が多い
- 4語以上の掛け合わせ検索は1%以下であり、行われるケースは非常に低い。
- 最も1語検索が行われている検索エンジンは、bingと言う結果になった。
デバイスごと
- どのデバイスにおいても、検索は1語で行われることが多い。
- 4語以上の掛け合わせ検索は1%以下であり、行われるケースは非常に低い。
- 最も1語検索が行われているデバイスは、タブレットという結果になった。
OSごと
- どのOSにおいても、検索は1語で行われることが多い。
- 4語以上の掛け合わせ検索は2%以下であり、行われるケースは非常に低い。
- フィーチャーフォンと比較すると、スマートフォンの検索は2語で行われる事が多い。
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